生まれてから1歳までは、赤ちゃんの体、特に脳や体内のさまざまな機能が発達する大切な時期です。そのため、赤ちゃんに合った、栄養のある食事を選ぶことがとても重要です。1歳未満の赤ちゃんを育てる保護者にとって、体の成長に必要な栄養を十分に、バランスよく摂れるメニューを選ぶことが大切です。
赤ちゃん、特に1歳未満の子どもに合ったメニューを選ぶのは、簡単ではありません。必要な栄養や消化する力がそれぞれ異なるためです。食べ物の形状、栄養の量とバランス、安全で清潔な食材を使うことを考慮して選ぶ必要があります。
また、栄養や食品の品質が損なわれないよう、調理にかける時間や調理方法が適切かどうかも確認する必要があります。
新生児から1歳までの食事が大切な理由
食事は、新生児から1歳までの成長と発達を支える大切なものです。世界保健機関(WHO)とタイ保健省保健局は、最初の6か月間は母乳だけを与え、満6か月からは母乳を続けながら月齢に合った離乳食を始めることを勧めています。成長と発達を支える栄養を、バランスよく摂るためです。
新生児から1歳までの食事では、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、各種ミネラルを摂る必要があります。これらは野菜、果物、動物性食品などから摂れますが、食品に含まれる栄養素の量と質を考慮して選ぶことが大切です。
適切な食事を選ぶことで、必要な栄養を摂れ、健やかな成長と発達を支えられます。また、健康に関わるさまざまな病気のリスクを減らすことにもつながります。
新生児から生後3か月までの食事
新生児から生後3か月までは、この時期の成長と発達に必要なエネルギーや栄養を摂るために、母乳または乳児用ミルクを与えます。この時期の赤ちゃんの成長と健康にとって、母乳を飲むことはとても大切です。母乳には必要な栄養が十分に含まれているため、この月齢で離乳食を追加する必要はありません。
新生児から生後3か月までの授乳・食事スケジュール(詳しくは新生児から生後12か月までの授乳スケジュールをご覧ください):
| 時間 | 食事 |
|---|---|
| 2-3時間ごと | 母乳または生後0-6か月向けの乳児用ミルク |
補足:
- 生後3か月の赤ちゃんには、母乳または生後0-6か月向けの乳児用ミルクを2-3時間ごとに、赤ちゃんが必要とする量を十分に与えてください。
- この時期の母乳は、赤ちゃんの成長や免疫機能、脳の発達に適した栄養を届けるために大切です。
生後4-6か月の食事と初めての離乳食
生後4~6か月は、母乳または乳児用ミルクで十分な栄養を摂れるため、ほかの食べ物や水を与える必要はありません。WHOとタイ保健省保健局の指針では、満6か月から離乳食を始めることを勧めています。特別な理由で医師から早めの開始を勧められた場合も、生後4か月より前には始めず、医師の指示に従ってください。支えがあれば安定して座れる、首がすわっている、食べ物に興味を示す、舌で食べ物を押し出さないことが、離乳食を始める準備ができたサインです(NHS)。
生後6か月ごろに始める離乳食の例です。1日1回、小さじ1~2杯から始め、少しずつ量を増やします。
- なめらかにつぶしたご飯:
- やわらかく炊いたご飯をなめらかにつぶし、母乳または一度沸騰させた水を混ぜ、適度なとろみになるよう調整します。
- 固ゆで卵の卵黄、レバーや魚のペースト:
- 卵は黄身も白身もしっかり火を通し、卵黄をつぶしてご飯に混ぜます。レバーや魚はやわらかくなるまでゆで、魚の骨をすべて取り除いてから、なめらかにつぶします。
- かぼちゃ、アイビーゴードの葉、にんじんなど、加熱した野菜のペースト:
- 野菜をよく洗い、やわらかくなるまでゆでるか蒸して、なめらかにつぶします。
- ご飯に混ぜる野菜のゆで汁やスープ:
- 野菜のゆで汁や手作りのスープを使い、塩、ナンプラー、しょうゆ、固形スープ、粉末調味料は加えません。
- 熟したナムワーバナナ、パパイヤ、マンゴーなどの果物:
- なめらかにつぶしておやつにするか、つぶしたご飯に混ぜます。
注意:離乳食に塩、砂糖、はちみつを加えてはいけません(1歳になる前には、はちみつを与えてはいけません)。生後6か月未満の赤ちゃんには、果汁も与えないでください。新しい食材は1種類ずつ、3~5日間隔で試し、発疹、嘔吐、下痢などのアレルギー症状がないか確認します。症状が出たら食べさせるのをやめ、医師に相談してください。ほかのメニューは生後6か月の離乳食メニューをご覧ください。
生後6-8か月の食事
生後6-8か月は、母乳や乳児用ミルクを続けながら離乳食を始め、必要量が増える栄養、特に鉄分を補います。食感を少しずつ粗くしながら、次のような食事を与えられます。
- やわらかく煮たご飯:
- ご飯をやわらかく煮てなめらかにつぶし、上手に飲み込めるようになったら、少しずつ粗めにつぶすようにします。
- やわらかくゆで、なめらかにつぶした野菜:
- にんじん、ブロッコリー、じゃがいも、かぼちゃ、アイビーゴードの葉などです。
- ゆでるとやわらかくなり、消化しやすく、なめらかにつぶせる野菜を選びます。
- 熟した果物のなめらかなペースト:
- バナナ、熟したパパイヤ、またはやわらかく蒸してからつぶしたりんごや梨などです。
- 熟した果物からは、ビタミンや食物繊維を摂れます。
- 十分に加熱してつぶした肉・魚・卵:
- 固ゆで卵の卵黄、レバー、鶏肉、骨をすべて取り除いた魚などは、たんぱく質や鉄分のよい供給源です。
- 母乳または乳児用ミルク:
- 離乳食と併せて、引き続き主な栄養源になります。この時期の離乳食は、医師の指導に従い、1日1~2回与えます。
補足:
- 主な栄養源である母乳または乳児用ミルクと併せて与えます。
- 調理の際は、この月齢の赤ちゃんの消化する力と食品の安全性を考慮してください。
- 生後6-8か月に適した離乳食や調理方法について、詳しくは医師や栄養の専門家に相談してください。
生後8-12か月の食事
生後8-12か月になると、さまざまな食べ物を食べ始め、家族の食事に近いものも試せるようになります。この時期は食事の種類を増やしながら、消化する力と食品の安全性に配慮してください。
生後8-12か月向けのメニューは、次のように作れます。
- 卵黄とアイビーゴードの葉入りのつぶしご飯:
- 炊いたご飯大さじ4杯を、スープまたは澄んだスープ約1/2計量カップで煮ます。
- よく混ぜ、卵黄を加えてつぶしながらなじませます。
- やわらかくなるまで十分にゆでたアイビーゴードの葉を加えます。
- 全体を混ぜて器に盛り、脂溶性ビタミンの吸収を助けるため、仕上げに植物油を少量たらします。
- 鶏レバー・豆腐・パックワーン入りのつぶしご飯:
- 炊いたご飯大さじ4杯を煮て、ある程度なめらかになるまでつぶします。
- 鶏レバー大さじ¼杯、筒状の卵豆腐大さじ2杯、パックワーン(タイの葉野菜)大さじ1杯半を入れて、澄んだスープを作ります。
- すべてを混ぜ合わせれば、赤ちゃんに食べさせられます。
- グルクマとかぼちゃ入りのつぶしご飯:
- スープを沸騰させ、ご飯を加えてなじむまで煮ます。
- 蒸したグルクマ(タイでプラートゥーと呼ばれる魚)の骨をすべて取り除き、身を細かくほぐして加え、煮ます。
- よく混ぜ、蒸してつぶしたかぼちゃを加え、鍋のほかの材料と混ぜ合わせます。
- 全体を混ぜ、なじんだら器に盛ります。
- にんじん・鶏肉・さつまいもの煮込みご飯:
- 中程度のとろみに煮込んだご飯をスープで煮ます。スープの量は、必要に応じて増減できます。
- ゆでて細くほぐした鶏むね肉と、加熱してつぶしたにんじん、さつまいもを加えます。
- 全体がなじむまで煮込みます。
どのメニューでも、スープに味付けは必要ありません。この時期には、赤ちゃんも食卓で一緒に食事ができるようになります。ベルト付きのベビーチェアを使うと、姿勢をまっすぐ保ち、より安全に飲み込みやすくなります。ほかのメニューは生後7か月の離乳食をご覧ください。
赤ちゃんの食材選びと調理のポイント
赤ちゃんは消化機能がまだ十分に発達していないため、食材選びと調理はとても重要です。次のポイントを参考に、赤ちゃんに合った安全な食事を用意してください。
1. 適切な食事
新生児から生後6か月までは、母乳または乳児用ミルクを主な栄養源とします。離乳食を始めたら、ご飯、肉、卵、レバー、野菜、果物など、さまざまな食品を与えましょう。健やかな体づくりと適切な成長につながります。
2. 食事の準備
赤ちゃんの食事を作る前には、手をきれいに洗い、スプーン、フォーク、皿、フライパンなどの調理や食事に使う道具を用意します。品質がよく、赤ちゃんにとって安全なものを選んでください。
調理には、赤ちゃんに適した安全な方法を使ってください。揚げ物や濃い味付けなど、赤ちゃんの安全にリスクのある調理は避け、ゆでる、蒸す、煮込むといった方法で、中までしっかり火を通します。
注意:ナッツ類、丸ごとのぶどう、とうもろこしの粒など、小さくて硬いものや丸いものは、喉に詰まる危険があります。つぶすか、小さく切ってやわらかくしてください。食事中は赤ちゃんをまっすぐ座らせ、必ずそばで見守ります。食べ物が喉に詰まった場合は1669に電話してください。月齢・年齢に合った応急処置は、子どもの喉に食べ物が詰まったときの応急処置で確認してください。
まとめ
生まれてから1歳までは、脳と体が発達する大切な時期です。この時期には、成長に必要な栄養を十分に含み、赤ちゃんが食べやすいメニューを選ぶことがとても重要です。
新生児から1歳までに適した食事
- 母乳または乳児用ミルクです。
- 鶏肉や魚など、肉・魚を使った離乳食です。
- きゅうり、パパイヤ、オレンジなど、彩りのよい野菜や果物です。
- つぶしたご飯、やわらかく煮た玄米、おかゆなどの米やでんぷん質の食品です。
- 十分に加熱した卵と、砂糖を加えていないプレーンヨーグルトです(生後6か月ごろから)。
避けたい食品
- 1歳になる前に主な飲み物として与える牛乳です。赤ちゃんには消化しにくく、鉄分も少ないためです。
- はちみつ(1歳になる前は与えてはいけません)や、砂糖、塩、調味料を加えた食品です。
- 化学物質を含む食品や、人工着色料・人工香料を含む食品です。
- ナッツ類や丸ごとのぶどうなど、喉に詰まる危険のある硬いものや丸いものです(NHS)。
新生児から1歳までの食事は、家庭にある食材やコンビニエンスストアで購入した食材を使って、自宅で手軽に用意できます。作れるものには、つぶしご飯、おかゆ、煮込みご飯、加熱した野菜や熟した果物のペーストなどがあります。味付けはせず、ゆでる、蒸す、煮込む方法で調理します。炒め物や揚げ物は、もう少し成長して、しっかりかめるようになるまで待ちましょう。
参考資料:https://foodinsight.org/starting-solids-a-resource-for-parents-and-their-infants/
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/infant-and-young-child-feeding
https://www.nhs.uk/baby/weaning-and-feeding/babys-first-solid-foods/
https://www.nhs.uk/baby/weaning-and-feeding/foods-to-avoid-giving-babies-and-young-children/


