妊娠中は「これ以上大変なことはない」と感じるかもしれませんが、産後の状態にも目を向けることが大切です。出産後には、いわゆる産後の不調が現れます。症状は人それぞれですが、似た症状を経験する方もいます。出産は心身を大きく消耗するため、回復には時間が必要です。ABC the Babyでは、出産前後のお母さんに向けて、産後に起こりうる状態とその対処法を紹介し、回復に役立つ情報をお届けします。
おすすめ記事:陥没乳頭でも授乳できますか。母乳をやめる必要はあるのでしょうか。
産後の不調とは何ですか。
産後の不調とは、出産後に現れる心身の変化や症状です。エストロゲンとプロゲステロンが減少することによっても起こります。初めての育児でこうした変化に直面している方は、産後に起こる状態を理解し、さまざまな症状に備えましょう。
おすすめ記事:帝王切開後に食べられるもの、控えるもの、知っておきたい注意点
産後にはどのような不調がありますか。
1. 尿もれ
出産によって骨盤底筋が伸び、せき、くしゃみ、笑ったときなどに尿がもれることがあります。産後によく見られる症状です(出典:NHS)。通常は数週間から数か月かけて徐々に改善します。回復を待つ間はナプキンを使い、毎日骨盤底筋を締める運動(ケーゲル体操)を行いましょう。方法は産後のエクササイズをご覧ください。改善しない場合は、産後健診で医師に伝えてください。
2. 産後の抜け毛
妊娠中はホルモンが増え、髪の成長が促されるため、髪が豊かに見えることがあります。出産後にホルモンの状態が変化すると、普段より抜け毛が増えます。驚くかもしれませんが、産後の抜け毛は恐ろしいことでも異常でもありません。一般的には6~12か月ほどで治まります。頻繁に髪をとかすことは控え、鉄分を含む食品、緑黄色野菜、亜鉛を含む魚介類など、身体に必要な量を十分に取ることが、新しい髪の成長を助けます。
3. 妊娠線
産後には、肌の状態により赤色やピンク色の筋が残ることがよくあります。完全には消えない場合もありますが、時間とともに白色や銀色に薄くなります。保湿クリームは肌の潤いを保ち、線を多少目立ちにくくすることがあります。タイ食品医薬品局の届出番号がある製品を選び、授乳中に医薬品成分を含むクリームを使う場合は、事前に医師に相談しましょう。詳しくは産後の妊娠線のケア方法をご覧ください。
4. 悪露
悪露とは、出産後に胎盤がはがれたことに伴って、子宮内から排出される組織や血液です。通常、産後最初の3~4日は量が多く、初めは赤色で、次第にピンク、茶色、薄い黄色へと変化します。数週間続くことが多いため、ナプキンを用意しましょう。タンポンは使わないでください。
注意点:1時間以内にナプキンがいっぱいになるほどの出血、大きな血の塊、悪露の異常な悪臭、発熱、強い下腹部痛がある場合は、産後出血や感染の可能性があるため、早急に受診してください。緊急時は1669に電話してください。
5. お腹のたるみと、まだ回復途中の子宮
妊娠中は子宮の成長とともに腹筋や皮膚が伸びるため、出産後もお腹がふくらんで見えます。子宮は約6週間かけて徐々に元の大きさに戻ります(子宮復古)。授乳は子宮の収縮を助けます。腹筋についても、無理のない運動を少しずつ継続することで、以前に近い強さを取り戻せることがあります。
これは、子宮が腟の中へ下がる医学的な「子宮脱(uterine prolapse)」とは異なります。腟が重く引っ張られる感じ、突き出たかたまり、排尿困難がある場合は受診してください。
6. 産後うつ病
産後うつ病(Postpartum Depression)は、出産後1年以内に起こります。不安、普段より強い苛立ち、不眠などが見られ、重い場合は泣いてしまったり、自分を傷つけたいと考えたりすることもあります。医師による治療が必要で、精神科医や心理士との対話による治療、場合によっては処方薬を用います。家族の気遣いやサポートも大切です。
注意点:自分や赤ちゃんを傷つけたいと考える場合は、直ちに医師に相談するか、24時間対応のメンタルヘルス相談窓口1323に電話してください。緊急時は1669に電話してください。
7. マタニティーブルーズ
マタニティーブルーズ(Postpartum blue)は、出産後のホルモンの変化に伴って起こります。悲しさ、落ち込み、気分の変動などが産後数日以内に始まり、通常は2週間以内に自然に治まります(出典:NHS)。2週間を超えて続く、または悪化する場合は、産後うつ病の可能性があるため医師に相談しましょう。周りの人からの励ましも、気持ちの回復を助けます。
おすすめ記事:お母さんのための産後うつ病への対処方法
産後のお母さんのケア
身体のケア
- 悪露が出るため、ナプキンを使い、清潔を保ちましょう。
- 産後4~6週間ほどは性生活を控えましょう。
- 5つの食品群をバランスよく食べ、アルコール飲料は控えましょう。
- 予約どおりに産後健診(約6週間後)を受け、医師に心身の回復を確認してもらいましょう。
心のケア
- 産後のお母さんの心や気分のケアには、周囲の人の気遣い、見守り、励ましの言葉が支えになります。
まとめ
産後の不調は、これから母親になる方が心配しやすいことです。身体にも心にも変化が起こりますが、初めての育児だからと過度に不安になる必要はありません。どのような状態が起こるかを知り、対処の準備をすることが、乗り越える助けになります。育児のヒントはこちらでもご紹介しています。
参考資料:
- https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/labor-and-delivery/in-depth/postpartum-complications/art-20446702
- https://www.dignityhealth.org/articles/7-common-postpartum-conditions-new-mothers-should-know-about
- https://www.bangkokhospital.com/en/content/prepare-mothers-after-giving-birth
- https://www.nhs.uk/mental-health/conditions/post-natal-depression/overview/
- https://www.nhs.uk/pregnancy/labour-and-birth/after-the-birth/your-body/


