関連記事: 怒ると物を投げる子どもへの対処法
感情との付き合い方を教えることには、どのようなメリットがありますか?
感情のコントロール(Emotional Control)とは、感情に行動や物事への取り組みを左右されず、自分の感情を効果的に、バランスよく扱うためのスキルです。感情のコントロールは、人生の幸せや成功につながる大切な役割を担います。関連する取り組みには、相手の気持ちに気づいて理解すること、瞑想、深呼吸の練習などがあります。
感情をコントロールする力は、年齢とともに少しずつ育ちます。1~3歳の子どもには、親が気持ちを落ち着かせ、感情を言葉にしてあげる手助けがまだ必要です。幼稚園に通う頃になると、気持ちを言葉で伝えたり、深呼吸などの簡単な方法を使ったりできるようになります。一方、選択肢を考えて比較する、感情を日記に書く、目標を立てるといった方法は、小学生以上に向いています。子どもの年齢に合った方法を選びましょう(詳しくはHealthyChildren.org(AAP)をご覧ください)。
子どもに感情のコントロールを教える方法
1. 自分の気持ちに気づく練習から始めます
感情をうまくコントロールするには、まず自分の気持ちに気づき、理解することを教える必要があります。気持ちに気づくことは、自分自身を理解し、感情に適切に対処する助けになるため、とても大切です。
幼い子どもには、「遊びをやめなきゃいけなくて、怒っているんだね」のように、親が気持ちを言葉にしてあげる方法が役立ちます。こうして感情を表す言葉を少しずつ覚えていくことは、2歳児の自然な発達の一部です。
気持ちに気づく練習には、さまざまな感情にまつわる物語を聞かせ、物語の中で生まれた気持ちについて質問する方法があります。また、いろいろな感情を表す絵を使うこともできます。
自分の気持ちがよりよく分かるようになると、子どもは感情に適切に対処しやすくなります。これは、将来の感情のコントロールにも役立ちます。
| 気持ち | 説明 |
|---|---|
| 悲しみ | 大切なものを失ったり、やりたいことができなかったりしたときなどに、悲しくなったり、気落ちしたりする気持ちです。 |
| 喜び | 目標を達成したり、欲しかったものが手に入ったりしたことで感じる、うれしく幸せな気持ちです。 |
| 怒り | 起きた出来事に不満を感じたり、納得できなかったりするときの気持ちです。脅されたときや、腹が立ったときなどに生まれます。 |
2. 適切に判断する力を育てます
ここでは、それぞれの状況に合った適切な判断をする方法を子どもに教えます。よい判断をする力は、感情をコントロールし、起きた出来事に対処するために大切なスキルです。
効果的な判断ができるようにするには、選択肢ごとの可能性や起こり得る結果を考える、質問して情報を集める、筋道を立てて判断するといった方法を学び、使う練習ができます。これらは小学生以上に向いています。幼い子どもには、「赤い服と青い服、どちらを着る?」など、簡単な2つの選択肢から選ぶことから始めましょう。
適切な判断ができるようになると、子どもは感情のコントロールや状況への対処に自信を持てるようになり、生まれた感情にもうまく対応しやすくなります。
3. 怒りへの対処法を教えます
ここでは、自分や相手に悪い影響を与えず、怒りに適切に対処する方法を教えます。怒りをコントロールする方法を学ぶことは、子どもの感情に関わる力を育てるうえで大切です。怒りに対処し、コントロールすることで、その感情を表す際の影響を抑えられます。
怒りの原因や生まれた感情を理解できるようにするには、穏やかで対立を招かない言葉を使う、怒りを感じる場面で適切に判断する練習をする、気持ちがはっきり伝わる別の適切な表し方を教える、といった方法があります。
怒りへの適切な対処法を教えることで、怒りを感じる状況に直面したときの不安や居心地の悪さを和らげられます。また、家庭に穏やかで温かな雰囲気をつくることにもつながり、子どもが安心して過ごし、大人や友達とのよい関係を育みやすくなります。
怒りへの対処例:
子どもが怒ったときには、深呼吸をしたり、数を逆に数えたりして、怒りをコントロールする方法を教えられます。また、不適切な怒りの表し方を手放す方法を学べるようにします。怒りだけが強くなっているときには、自分の考えや気持ちを穏やかで適切な形で伝えるように教えましょう。
| 怒りへの対処法 | 教え方 |
|---|---|
| 怒りの原因を理解できるようにします | 思いどおりにならない状況や出来事によって怒りが生まれることを説明します。そして、激しい感情に任せず、解決策を探したり、その状況に対処したりする方法を教えます。 |
| 適切に判断する力を教えます | 子どもが自分で判断できる機会をつくります。自分で考えるように促し、理不尽に感じる状況にも穏やかに、やさしく対応するとどのような結果になるのか、気づけるように手助けします。 |
| 家庭に穏やかな雰囲気をつくります | 親が感情の表し方のよいお手本となり、子どもの意見や気持ちにしっかり耳を傾けることで、家庭に穏やかで温かな雰囲気をつくります。また、怒りを表すことが周囲に与える影響に気づかせ、別の適切な感情の表し方を学べるようにします。 |
4. 幸せや満足感を育てます
小さなことに喜びを見つけ、自分自身に満足することで、日々の幸せや満足感を育てます。幸せや満足感は、子どもの心身の健康によい影響を与え、全体的なストレスや落ち込んだ気持ちを和らげる助けになります。
自然の美しさに目を向ける、人を助ける、すてきな友達に出会うなど、日常の小さなことに喜びを感じる姿を見せて、お手本になることができます。自分が幸せや満足感を覚えた出来事や経験を、子どもに話してみましょう。
また、自分自身に満足することの大切さも教えられます。取り組んだことを振り返り、よかったと感じられる点を見つける機会をつくり、気持ちを整える力を育てます。例えば、深呼吸で心を落ち着かせたり、今この瞬間にある気持ちや感情に気づく練習をしたりする方法があります。
5. 相手の感情を理解する力を育てます
ここでは、相手の感情に気づき、理解する方法を教えます。人それぞれに異なる気持ちがあることを学び、適切にコミュニケーションを取れるようにします。
子どもが相手の感情によりよく気づき、理解できるようにするためには、いくつかの方法があります。その一つが、話を聞くことです。相手が今感じていることに関心を向け、理解を深めます。
もう一つは、質問する方法です。相手の様子に目を向け、「そのとき、どんな気持ちだった?」「その出来事があったとき、どう思った?」などと尋ねるように教えます。こうした質問は、相手の感情に気づき、しっかり理解する助けになります。
また、周囲の人と関係を築き、協力する姿を見せることも、相手の感情を理解する助けになります。相手の物事の見方や経験を理解する練習をし、子ども自身も気持ちや感情を十分に伝えられる機会をつくりましょう。
相手の感情に気づき、理解する力を育てることで、子どもは人それぞれに異なる暮らしや事情があることを学びます。そして、相手の気持ちを理解し、適切に伝え合えるようになります。
| 方法 | 実践の仕方 |
|---|---|
| 話を聞きます | 相手の気持ちに関心を向け、理解を深めます。 |
| 質問します | 相手の様子に目を向け、その気持ちをしっかり理解します。 |
| 関係を築きます | 相手の物事の見方や経験を理解するために役立ちます。 |
感情のコントロールを教える方法を実践します
感情のコントロールを適切に教えることで、その方法は、子どもが日常生活で自分の感情を整えるための役立つ手段になります。子どもが実践できる方法をご紹介します。
1. 感情に気づき、受け入れます
自分の気持ちや感情を理解できるようにします。生まれた感情について話し、感情は自然なものであり、大切な意味があると伝えましょう。感情を受け入れ、適切なタイミングで手放せるようにします。まだ幼く、怒ると物を投げてしまう場合は、怒ると物を投げる子どもへの対処法と、怒りっぽい子どもへの4つの接し方も参考にしてください。
2. 目標を決め、設定します
感情をコントロールするための明確な目標を立てられるように手助けします。前向きな感情のコントロールにつながるよう、励みや意欲になる目標の立て方を教えます。
3. 気持ちを切り替える方法を使います
気持ちを切り替える方法を教えます。考え方を変えたり、理解を深める情報に目を向けたりして、自分の感情をコントロールする方法を伝えます。例えば、失敗ではなく成功したことを考える方法があります。
| 感情をコントロールする方法 | 説明 |
|---|---|
| 感情に気づき、受け入れます | 生まれた感情を理解し、受け入れます。 |
| 目標を決め、設定します | 明確な目標を立てます。 |
| 気持ちを切り替える方法を使います | 気持ちを切り替えることで、感情をコントロールします。 |
感情をコントロールするための目標設定
ここでは、子どもが自分に合った有益な形で感情をコントロールできるよう、明確な目標を立てる方法を見ていきます。目標がはっきりしていると、何をすればよいかが分かり、感情のコントロールを少しずつ上達させられます。この方法は、目標という考え方を理解している小学生に向いています。
感情をコントロールするための目標は、達成できる見込みのあるものにしましょう。子ども自身も目標づくりに参加し、決めた目標に取り組む責任を持てるようにします。
| 目標 | 方法 |
|---|---|
| 感情が生まれたことに気づきます | 自分の中に生まれた感情に気づけるように教えます。気持ちが動いたときに感情日記を書き、さまざまな場面でどのように感じたかを一緒に話します。 |
| 気持ちを切り替えます | 望ましくない感情を、自分にとってより適切でよい気持ちに切り替える方法を教えます。深呼吸や大人との会話などを使い、緊張や怒りを和らげられるようにします。 |
| 感情をコントロールした結果に気づきます | 感情をコントロールした結果に気づく方法を教えます。心が落ち着いた、幸せを感じたなど、よい変化に目を向けて記録することで、感情のコントロールへの理解を深めます。 |
感情をコントロールするための目標設定は、時間と根気が必要な取り組みです。決めた目標に取り組む子どもを支え、励ましながら、感情をコントロールする力を学び、育てるための時間を十分に与えましょう。
まとめ
この記事では、自分の気持ちや感情にうまく対処し、適切にコントロールする方法をご紹介しました。まずは子どもが自分の気持ちに気づき、理解できるように教え、そのうえで、それぞれの状況に合った適切な判断の仕方を伝えます。
また、自分や相手に悪い影響を与えずに怒りへ対処する方法や、日々の幸せと満足感を育てる方法もご紹介しました。小さなことに喜びを見つけることや、自分自身に満足することの大切さを、子どもに伝えます。
さらに、相手の感情に気づき、理解する方法も取り上げました。人それぞれに異なる気持ちがあることを学び、適切にコミュニケーションを取れるようにします。日常生活で使える、簡単な感情のコントロール方法もご紹介しました。
何より大切なのは、親の言葉と接し方です。子どもに言わないほうがよい言葉を避け、日頃から子どもと話す時間をつくりましょう。激しい感情が頻繁に現れ、食事や睡眠、人との関わりに影響している場合は、小児科医や子どもの発達の専門家に相談してください。
よくある質問
感情のコントロールを教えるには、何から始めればよいですか?
まず、自分の気持ちに気づき、理解することを教えます。それが、感情にうまく対処するための土台になります。
子どもに感情のコントロールを教えるうえで、大切なことは何ですか?
親自身が適切な感情の表し方のお手本となり、子どもの気持ちに耳を傾け、年齢に合った教え方を選ぶことが大切です。幼い子どもには感情を言葉にすることから始め、年齢が上がったら、判断する練習や目標設定に取り組みます。
明確な目標は、感情のコントロールにどのように役立ちますか?
心を落ち着かせる、難しい状況でも感情をコントロールするなど、明確な目標を立てると、子どもは自分の進歩に気づき、練習を続ける励みを得られます。この方法は、小学生以上に向いています。
参考情報:https://www.verywellfamily.com/how-to-help-an-overly-emotional-child-4157594
https://www.mcleanhospital.org/essential/4-ways-help-children-manage-emotions
https://www.apa.org/topics/parenting/emotion-regulation
https://www.healthychildren.org/English/healthy-living/emotional-wellness/Pages/default.aspx


